要の純然たる日記（新館）

北海道、旭岳温泉に一族で泊まっている。

予定では、ロープウェイで姿見に上がってから旭岳に登り、黒岳まで縦走してからリフトとロープウェイで層雲峡まで降りる8時間の旅程だった。朝方に台風9号が直撃することが明らかだったので縦走は最初から諦める。

しかし、9時くらいには台風も過ぎる予報だったので、ロープウェイさえ動けば姿見まで上がり、状況によっては旭岳まで登頂するコースも可能か、という話をしていた。ちなみにメンバーは全員体力にはまず問題なく、経験を積んだ山男山女もおり、山岳ガイドさんもお願いしている。危険になったらとっとと引き返すということにしていた。

ところが嵐は想像以上に激しく、ホテルが停電する。停電と登山に何の関係があるのかと思われるかも知れないが、停電したのはホテルだけではなく、温泉街への送電経路でトラブルがあったようで、周囲一帯が停電した。つまり、ロープウェイが動かなくなった。9時過ぎに予報通り台風は抜けたのだが、姿見に上がることは不可能になった。折角旭岳も見られるようになったのに。

仕方がないので、ロープウェイの下を第一天女ヶ原という湿原まで歩く。片道1時間くらいなのだが、台風の影響で登山道が川になっている。縦走の予定が沢登りになってしまった。

娘は、履き慣れない登山靴よりは良いだろうという判断で運動靴を履いていたのだが（僕が娘と同じ年齢の時に剱立山に登ったときも運動靴だったし）、さすがに嵐の中は無理だろうとホテルで長靴を借りたのだが、これが大正解で、無敵の歩行を見せていた。

ビジターセンターで休憩してから、もともとは姿見周遊する予定だった人たちを層雲峡まで送る予定だったバスに乗って、一気に層雲峡へ移動。縦走なら8時間だが、バスだと高速道路も使えば3時間くらい。大回りするので、バスを使ったからと行って劇的に早く到着するというわけではないらしい。途中旭川空港に寄り、仕事で帰らなければならない姪を送る。

層雲峡も台風の爪痕は深く、滝に至る道は通行止め。石狩川上流は濁流。夕方軽く散歩する。